2010年11月08日

繰延資産について教えてください

 繰延資産とは法人が支出する費用のうち、支出の効果が支出日以後1年以上に及ぶもので次のものを言います。ただし、資産の取得に要した金額とされるべき費用及び前払い費用を除きます。

  @創立費
  A開業費
  B開発費
  C株式交付費
  D社債等発行費
  Eその他、自己が便益を享受するために支出する費用

 具体的に列挙されている@からDまでの繰延資産は任意償却の繰延資産とされ、会計上は償却期間が定められているものに該当しても税務上各事業年度の損金の額に算入する償却費を支出額の範囲で任意に決める事が出来ます。
 例えば株式の交付に要した費用100,000円とすると、任意償却であるため支出日の属する事業年度において800,000円、次の事業年度に残り200,000円という風に費用化することもできれば、500,000円ずつ2年で費用化することもでき、毎年10,000円ずつ10年間に渡って費用化することもできます。

 Eの自己が便益を享受するために支出する費用とは、例えば建物を賃借するために支払った権利金や同業者団体の加入金などが挙げられます。
 これらの繰延資産は支出の効力の及ぶ期間による均等償却を行うことになります。
 支出の効果が10年間に及ぶ繰延資産であれば10年間で均等に費用化します。
 ただ、支出の効果が及ぶ期間が明確ではないものも少なくはなく、課税の公平性の観点からもその目的となる資産の耐用年数等を基礎として償却期間が定められています。
 例えば、建物を賃借するために支出した権利金であればその期間が3年と明確に契約で定められているならば3年償却すればいいのですが、その期間が明確でない場合には建物の耐用年数(例えば50年)の7/10に相当する期間(50×7/10=35年)で償却することになります。

 これらの均等償却を行う繰延資産で支出額が20万円未満のものがある場合においてその事業年度において損金経理したときは、その事業年度に一括損金算入することもできます。

 税務上、繰延資産の損金算入は損金経理が要件となっています。
 よって、法人が繰延資産について償却を行わなかった場合には税務上も繰延資産の償却による費用化がされないことになります。



posted by 金沢 税理士 at 13:24| Q&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。