2012年05月26日

事業開始前の家賃は繰延資産に該当しますか?

事業を開始する前の段階で事業所を賃貸する事は珍しいことではありません。

事業開始前に支払う家賃については、法人と個人事業者で取り扱いが異なります。
法人税法では、開業前の費用でも地代家賃のような経常的な費用はその事業年度の損金とされるため、繰延資産には該当しないため、法人の場合は事業開始前の家賃も初年度の経費に算入することとなります。

一方、所得税法では、事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用を開業費とするされており、その中には地代家賃のような経常的に発生するものも含まれます。

ただし、開業費は【不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用をいう。】 とされており、【特別に支出する費用】という条文の解釈によっては、家賃は開業前であっても開業後と同様に経常的に発生する費用であるから開業費に含まれないという解釈をすることも考えられます。

税理士や税務署の担当者によっても解釈が分かれる可能性もあります。
私が問い合わせた金沢税務署の職員の見解は個人事業者の開業前の家賃も開業費として繰延資産に該当するというものでした。

繰延資産に該当する場合、開業費は税務上の任意償却の繰延資産に該当します。
よって、償却する時期・金額を任意に決めることができることとなります。
赤字の年度は償却費を計上せずに、利益の出た年度に償却費を計上するなどといった使い方をすることができます。
会計上は5年の均等償却することとなっているため、実務上は5年以内に償却することが多いです。


posted by 金沢 税理士 at 21:47 | TrackBack(0) | Q&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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